第9章 王子と姫の愛の逃避行♡ 【ONE PIECE サンジ】
朝の光がキッチンに柔らかく差し込み、食事を終えた一味の賑やかな声は、少しずつ甲板へと遠ざかっていった。
朝食の用意から給仕、片付けまでを終えたサンジは、🌸のために淹れた一杯の紅茶を手に、小さなテーブルへと腰を下ろした。
「……はぁ。やっと一息だ」
「サンジ、お疲れ様。朝食も本当に美味しかった」
🌸が微笑みかけると、サンジはいつものように「レディの言葉こそが最高の報酬だ」と気の利いた台詞を返そうとした。
けれど、口をついて出たのは、ふわりとした小さなしあわせの溜息だった。
一昨日の緊迫した逃走劇、昨日の命懸けの救出、そして夜通しの宴の準備と片付け……。
さらには明け方までの見張りと、彼の身体はとうに限界を迎えていた。
「……ごめん、🌸ちゃん……ちょっとだけ……」
温かい紅茶の香りに包まれ、サンジの瞼は吸い付くように重くなった。
カクンと首が揺れ、彼はそのまま吸い寄せられるように、🌸の柔らかな肩へともたれかかった。
「……サンジ?」
規則正しい寝息が聞こえ、🌸は彼が深い眠りに落ちたことを知った。
その寝顔は驚くほど無防備で、幼い少年のようにも見えた。
「……本当にお疲れ様、ありがとう」
🌸は愛おしさを込めて、彼の金色の髪をそっと撫でると、彼がもっと楽に眠れるようにと、自分の膝の上へその頭を優しく導く。
「あらあら、いい雰囲気じゃない」
通りかかったナミが、悪戯っぽく口角を上げて小声で囁いた。
「サンジくん、最高の役得ね。ねえ🌸、うちのコックたっぷりこき使っていいわよ?」
「ふふ、今はゆっくり休ませてあげて。彼、ずっと無理してたから」
ナミのからかいを優しく受け流し、🌸は幸せそうに微笑んだ。
ナミもそれ以上は邪魔をせず、親指を立てて「お幸せに」と合図を送り、足音を忍ばせて去っていった。
再び、二人きりの静寂が訪れる。
膝の上で眠るサンジは、心地よい夢を見ているのか、心なしか口元が緩んでいる。