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*夢物語* 【夢小説短編集】

第9章 王子と姫の愛の逃避行♡ 【ONE PIECE サンジ】


水平線の彼方へと島が遠ざかり、空がオレンジから深い藍色へと染まり始める頃。
サニー号のキッチンからは、胃袋を掴んで離さないような暴力的にいい香りが漂い始めていた。


「さあ野郎ども! そして、愛しの🌸ちゃん! 準備はいいか!?」


サンジの威勢のいい声と共に、甲板のテーブルには色鮮やかなご馳走が並べられた。
香ばしく焼き上げられた大肉のロースト、新鮮な魚介のマリネ、そして中央に鎮座するのは――。


「わあ……っ! すごい、なんて素敵なケーキ……!」


🌸が思わず声を上げた。
それは、彼女の纏っていたドレスのように純白のクリームでデコレーションされ、島の特産である色とりどりの果実が宝石のように散りばめられた、サンジ特製の三段バースデーケーキだった。


「約束通り、世界で一番甘くて幸せなケーキだ。🌸ちゃん、十八歳の誕生日、本当におめでとう」


サンジが恭しく一礼すると、ルフィがジョッキを高く掲げた。


「よし、揃ったな! 自由を掴んだ🌸と、俺たちの新しい仲間に 乾杯!!」


「「「乾杯ーーー!!!」」」


賑やかな音楽と笑い声が夜の海に響き渡る。
ルフィとウソップは鼻に箸を突っ込んで踊り、ブルックは音楽を奏でる。
城での厳格な晩餐会とは正反対の、騒がしくも心温まる光景。


「……信じられない。私、本当に自由になったんだ」


🌸がケーキを一口頬張ると、口いっぱいに優しい甘さと爽やかな酸味が広がった。
それは、彼女がずっと求めていた「自分の人生」の味がした。


「美味しい? 🌸」


ナミが隣で優しく微笑み、グラスを合わせる。


「はい! こんなに美味しいもの、食べたことありません。……それに、こんなに笑った誕生日も初めてです」


少し離れたところで彼女の笑顔を見て、サンジは静かにタバコに火をつけた。
鼻の下を伸ばすいつもの様子ではなく、一人のレディの幸せを守り抜いた男の、満足げな表情で。


「……よかったな、🌸ちゃん」


明日からは、誰が決めた道でもない。
この広い海を自分の意志で、この最高の仲間たちと共に進んでいくのだ。



十八歳の誕生日の夜。


彼女が手に入れたのは、どんな宝物よりも価値のある「自由」という名の贈り物だったーー。



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