第9章 王子と姫の愛の逃避行♡ 【ONE PIECE サンジ】
(やべェ……やべェぞこれ……!! さっきから腕の中に、純白の花嫁衣装を着た🌸ちゃんがいる!!しかもマリアベールなんて反則だろ、天使か!? 妖精か!? 美しすぎて心臓がバックドラフト起こしそう……!!)
視線を向けられた瞬間、脳内では「メロリ〜ン♡」という叫びが何万回もリフレインしていたが、ここで鼻血を出して倒れるわけにはいかない。
愛するレディを安全な場所へ送り届けるまでが、自分の仕事なのだ。
「……もうすぐだ。森を抜ければ、仲間たちが待ってる。最後まで、俺がしっかり守り抜いてやるからな」
努めてクールに、優しく囁くサンジ。
しかし、その足取りは、愛する女性を運ぶ歓びに溢れ、心なしかいつもより軽やかに地を蹴っていた。
森を抜け、視界がぱっと開けると、そこには入江の奥で帆を張ったサウザンド・サニー号が待ち構えていた。
「おい! 来たぞ、サンジだ!」
「ナミも戻った! 全員揃ったぞ、出航だァーー!!」
ルフィの威勢のいい声が響き、サンジは🌸を抱えたまま、軽やかな跳躍で甲板へと飛び乗った。
別ルートから駆け戻ったナミも合流しており、船はログの指し示す方向へと滑り出す。
王国の追手は、姉たちの見事な撹乱作戦によって、今頃真反対の西の果てを必死に探しているはずだ。
あまりにも鮮やかすぎる逃走劇に拍子抜けするくらいだった。
「ふぅ……。なんとか、上手くいったわね」
ナミが肩の力を抜いて息を吐くと、甲板にいた一味の視線がサンジの腕の中にいる「花嫁」へと一斉に注がれた。
「……うわぁ……」
チョッパーがポカンと口を開け、ウソップは持っていた道具を落とした。
「おいおい、なんだよその格好……。初めて見た時も美人だと思ったけど、純白のドレス姿の🌸ちゃん、マジで天使じゃねェか……」
「あら、本当に素敵ね。世界中の宝石を集めても、今の彼女の輝きには勝てないわ」
ロビンも感嘆の吐息を漏らす。
サンジは仲間たちの賞賛を背に受けながら、震える手でゆっくりと彼女をデッキへと下ろした。
🌸は少し乱れたマリアベールを整え、上目遣いでサンジを見つめる。