第9章 王子と姫の愛の逃避行♡ 【ONE PIECE サンジ】
豪奢な調度品に囲まれた城の一室。
しかし、そこに漂う空気は重く冷たい。
🌸は窓の外、サニー号が隠れているはずの入り江の方向をじっと見つめていた。
そこへ、騒がしい足音と共に扉が勢いよく開け放たれた。
「――ちょっと、🌸! 家出したんですって!?」
「心配したのよ、このお転婆さんが!」
部屋になだれ込んできたのは、他国へ嫁いでいた6人の姉たちだった。
末娘の誕生日の祝儀と、大国への婚礼に立ち会うために集まっていたのだ。
「……お姉様たち」
「そんな顔しないで。何があったの? 詳しく話しなさい」
長女に促され、🌸はぽつりぽつりと、この一日の出来事を話し始めた。
結婚嫌で城を逃げ出したこと、海賊という「いかれた人たち」に助けられたこと、そして――。
「……信じられないほど、優しくされたの。彼が作ってくれたお菓子は、今まで食べたどんな料理よりも温かくて……」
「彼? 海賊の男のこと?」
三女が顔を寄せると、🌸の頬がふわりと赤らんだ。
「そう。私のために怒ってくれて、私の自由を守るために戦ってくれた。……私、一目惚れしちゃったみたい。人生で一番、自由で、最高に楽しい一日だった」
「あら、あの🌸が恋だなんて!」
「でも……だからこそ、戻ってきたのね。彼らを巻き込みたくなくて」
姉たちは妹の初々しい恋心に目を見張ったが、ふと次女が眉をひそめた。