第9章 王子と姫の愛の逃避行♡ 【ONE PIECE サンジ】
「……卑怯な真似を」
ロビンは苦々しく腕を解いた。
人質を取られては、流石の彼女も手出しができない。
そのやり取りを、キッチンの物陰からサンジと🌸は固唾を飲んで見守っていた。
「……あの二人を、人質に……。私のせいで、皆さんが……」
🌸の顔から血の気が引いていく。
「落ち着いて、🌸ちゃん。俺がなんとかするから、君はここに隠れて……」
サンジが彼女を庇うように前に出ようとしたその時。
「待ってください」
🌸が、サンジの腕をすり抜けるようにして立ち上がった。
その瞳には先ほどまでの怯えはなく、固い決意が宿っていた。
「ダメだ! 外へ出ちゃいけねェ、🌸ちゃん!」
サンジが慌ててその肩を掴んで止めるが、彼女はその手を振り払った。
「これ以上、誰かが傷つくのは見たくありません! ……私が戻れば、皆さんは助かるのでしょう!?」
「そんなわけねェだろ! あのエロジジイのところへ行くなんて、死ぬより辛いって言ったのはあんた自身だ!」
「でも……! 私の自由のために、あなたたちを犠牲にするなんて、そんなの望まない!」
🌸は叫ぶとサンジの制止を振り切り、眩い光が差し込む甲板へと飛び出した。
「待ちなさい! 手出しは無用です!」
甲板に躍り出た🌸の声は、王女としての気品を湛えていた。
銃口を向けていた兵士たちが、一瞬その気迫に圧倒されて動きを止める。
「私は城へ戻ります。……だから、その人を放して。城にいる私の友達もよ。これは命令です!」
「……はっ。姫様が自ら戻られるというのなら、我らも無用な殺生は望みません。……おい、その男を離せ」
兵士の手が緩み、ウソップが甲板に転がされた。
🌸はそれを見届けると最後に振り返って、呆然と立ち尽くすサンジとロビンを見つめた。
「サンジさん、ロビンさん。……短い間だったけど、昨日は本当に楽しかった。あんなに美味しいお菓子、一生忘れない」
「🌸ちゃん……! 待ってくれ、行っちゃいけねェ!」
「……さようなら、優しい騎士様」
サンジの叫びを断ち切るように、🌸は兵士たちのボートへと飛び移った。