第9章 王子と姫の愛の逃避行♡ 【ONE PIECE サンジ】
「全く、うちのコックときたら……。ロビンはどう思う?」
ロビンは本を閉じ、静かに微笑んだ。
「この国の王は、大国との繋がりを強めるために実の娘を差し出そうとしている。もし彼女がいなくなれば、国のメンツは丸潰れね。追手の手が緩むことはないわね。……でも、そんな『籠の鳥』を逃がしてあげるのも、海賊らしくていいんじゃないかしら?」
「お、おいロビンまで! 俺たちは指名手配中の身なんだぞ!」
ウソップが慌てふためく中、ナミは腰に手を当てて不敵に笑った。
「……わかったわよ。ログが貯まるまでのあと数日。この美少女をタダで匿うのは癪だけど、サンジが死ぬ気で働くっていうなら考えてあげてもいいわ」
「ナミさん……!!」
「ただし! 🌸、あんたも覚悟しなさいよ。私たちの船に乗るってことは、世界政府も王国も敵に回すってことなんだから!」
「はい……! ありがとうございます!」
🌸の顔に、今日初めての明るい笑顔が浮かんだ。
その輝きにサンジは再びメロメロになりながら、「誕生日には最高の誕生日ケーキを焼いてあげる♡」と言いながらキッチンへ駆け込んでいくのだった。
サニー号のキッチンには、香ばしいバターの香りとフルーティーな紅茶の匂いが立ち込めていた。
「さあ、🌸ちゃん、逃げ回ってお疲れでしょう? こちらをどうぞ」
サンジが差し出したのは、層が重なり合った美しいミルフィーユと、数種類の果実を贅沢にブレンドした特製アイスティだった。
「……わあ、なんて綺麗。これ、いただいてもいいんですか?」
「もちろんです。恋する乙女の栄養補給は、俺の使命ですから!」
🌸がおずおずとフォークを入れ、一口頬張ると、彼女の瞳が大きく見開かれた。
「……っ! 美味しい……! こんなに優しい味がするお菓子、初めて食べました……」
幸せそうに頬を緩める🌸を見て、サンジはふにゃふにゃと身をよじらせる。
「メロリ〜〜ン! その笑顔、まさに国宝級! もっと作ります、何でも作りますよォ!!」
「ちょっと、サンジくん、鼻血出すのはそこまでにして」
ナミが呆れ顔でアイスティを啜りながら釘を刺す。