第9章 王子と姫の愛の逃避行♡ 【ONE PIECE サンジ】
ナミの問いかけに少女は一瞬ためらったあと、覚悟を決めたように深く被っていたフードに手をかけた。
「……隠していても、仕方がありませんね」
ゆっくりと布地が滑り落ちると、そこには陽光を浴びて輝く白銀の髪と、吸い込まれそうなほど澄んだ海のような瞳が現れた。
街の男たちが「この世のものとは思えない」と語り草にしていたその美貌。
「………………」
あまりの美しさにナミもウソップも、そして鼻の下を伸ばしていたはずのサンジまでもが、言葉を失って固まった。
「あら……」
静かに本を閉じたロビンが、その美貌に見覚えがあるように目を細める。
「その顔立ち……街で聞いた噂と一致するわね。この国の『七人の姫君』の一人。それも、一番の美姫と名高い末娘……🌸様かしら?」
「ええっ!? 姫様ぁーーー!?」
ウソップが飛び上がった。
「やっぱり……バレてしまいましたか」
🌸は気まずそうに視線を落とし、小さく頷いた。
「……待って。ロビン、今なんて言った?」
ナミが顔を引きつらせて確認する。
「この島を治める王国の、第七王女。つまり……彼が蹴散らした『追手』というのは悪党でもなく、この国の公的な『王宮兵士』ってことになるわね」
一瞬の沈黙。
「…………」
「…………」
「何てことしてくれたのよ、このクソコックーーーー!!!」
ナミの怒声が海原に響き渡った。
「国家反逆罪じゃないのよ! 王女誘拐なんて、ログが貯まるまで大人しくしてなきゃいけないのに、国際問題に発展したらどうすんのよ!」
「い、いやナミさん、だって彼女、あんなに怖がってたし……!」
タジタジになるサンジを余所に、🌸はナミの袖をそっと掴んだ。
「お願いします……! 私、どうしてもお父様の決めた結婚が嫌で、お城を飛び出してきたんです。どうか、少しの間だけでいいので、私をここに置いてくださいませんか……?」
上目遣いで懇願する絶世の美女にサンジは即座に膝をついた。
「もちろんです、🌸様! このサンジ、命に代えてもお守りします!」
「アンタは黙ってなさいっ!!」