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*夢物語* 【夢小説短編集】

第8章 一日遅れのショコラと、プロポーズ【 REBORN ディーノ】


「🌸!? どうして……」


問いかけが終わるより早く、彼女はディーノの胸へと飛び込んだ。
驚きに目を見開きながらも、ディーノの身体は反射的に彼女をしっかりと受け止めていた。


「どうして……昨日の今日だ。俺が怖くないのか?」


腕の中の彼女は、首に昨日のブルーサファイアを揺らしながら、涙の滲んだ瞳で彼を真っ直ぐに見つめ返した。


「怖いです……マフィアなんて、まだよく分からない。でも、それ以上にディーノさんがいない方がずっと怖い! どんな世界の人だって関係ないくらい……私、あなたのことが大好きなんです!」

「……っ!」


衝撃に、ディーノの思考が止まる。
震える声で紡がれたその告白は、彼の凍てついていた心を一瞬で溶かし、熱く燃え上がらせた。
ディーノはたまらず、彼女の身体を折れんばかりに強く抱きしめ返した。



「……ありがとう。……俺もだ。君を離したくない。世界中の何よりも愛してる」



搭乗案内のアナウンスが非情にも流れると、🌸は腕を解き、バッグから小さな包みを取り出した。


「これ。一日遅れちゃったけど……バレンタインのチョコです」

「……ああ、嬉しいよ。一生食べずに取っておきたいくらいだ」


泣き笑いのような顔でそれを受け取ったディーノに、🌸はいたずらっぽく微笑むと、背伸びをして彼の頬に、ふわりと柔らかなキスを贈った。


「な……っ!?」


驚きで固まったディーノをその場に残し、🌸はパッと身を翻した。


「さあ、行ってください! 私もこれから学校だから、もう、行きますね……イタリアに帰っても、浮気しちゃダメですよ!」


「ちょ、🌸!待って、今のは……っ!」


呆然と立ち尽くすボスの背後で、ずっと見守っていたロマーリオたちが一斉に吹き出した。


「ボス、真っ赤ですよ! 最高のバレンタインじゃないですか」

「学校だからって、潔いお嬢さんですねぇ。惚れ直しましたよ」

「うるさい! ロマーリオ、笑うな!」



揶揄われながらとディーノは何度も振り返り、小さくなっていく彼女の背中を愛おしそうに見つめ続けた。


ゲートをくぐる彼の足取りは、先ほどまでの重苦しさが嘘のように軽く、その瞳には再び「跳ね馬」としての輝きと、守るべき者への決意が宿っていた。






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