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*夢物語* 【夢小説短編集】

第8章 一日遅れのショコラと、プロポーズ【 REBORN ディーノ】


「お嬢さん。これ、大切な荷物でしょう」

「あ……ありがとうございます……」


ロマーリオはディーノの肩を力強く叩くと、周囲の部下たちに目配せをした。


「さて、野暮な邪魔者は退散するとしましょう。ボス、後のことは任せましたよ。……男を見せてくださいね」


「ちょ、ロマーリオ! お前……」


ニヤニヤと笑いながら、部下たちは捕らえた敵を引き連れて、潮が引くようにフロアから消えていった。


静寂が戻った展望フロア。
割れた窓から吹き込む風の音だけが響く中、ディーノは意を決したように🌸に向き合った。


「……怖かったよな。本当に、ごめん。……君をこんな危険に巻き込むつもりじゃなかったんだ」

「ディーノさん……。あの、さっきの火や、あの馬は一体……それに、あの人たちは……」


🌸は混乱したまま、彼を見上げた。
ディーノは一度視線を落とし、それから覚悟を決めたように彼女の瞳を真っ直ぐに見つめた。


「……驚かせてごめん。本当のことを話すよ。俺は、君が思っているような普通の会社経営者じゃないんだ」

「え……?」


「俺は、イタリアのマフィア……キャバッローネ・ファミリーの、十代目ボスなんだ」




「……マフィア……?」


🌸は言葉を失い、そのまま固まってしまった。
今まで自分を助けてくれた、あの優しくて、少しドジで、お茶目で……でも、一瞬で借金を完済し、空を翔けて自分を救ってくれた彼。
その正体が、物語の中でしか聞いたことのない「マフィアのボス」だなんて。


「さっきの奴らは、俺の命を狙う敵対組織の連中だ。……君に近づいたのは、最初は単なるお礼のつもりだった。でも、今は違う」


ディーノは震える彼女の手に、自分の手を重ね真っ直ぐその瞳を見つめた。


「🌸、君が好きだ。……君を好きになったことは、俺の人生で一番の誤算で……一番の幸せなんだ。……でも、マフィアなんて、怖いよな。住む世界が違うって、思うよな」



真っ直ぐな告白。
けれど、その声はひどく儚い。
自嘲気味に笑うディーノの横顔は、いつものへなちょこぶりからは想像もつかないほど、切なく、そして誠実だった。



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