第8章 一日遅れのショコラと、プロポーズ【 REBORN ディーノ】
「……っ、ディーノ、さん……!!」
吹き荒れる暴風の中、逆さまに落ちていく視界。
恐怖で声も出ない🌸を、上空から猛スピードで降下してきたディーノが背後から力強く抱き寄せた。
「捕まえた……! もう放さないぞ!」
風の唸り声の中響く誰よりも頼もしい声。
ディーノは落下しながら、空いた手で懐から一つの「指輪」と「ボックス」を取り出した。
(頼むぞ……スクーデリア!)
指輪に灯るオレンジ色の大空の死ぬ気の炎が、冷たい夜気を焼き切るように激しく燃え上がった。
ボックスを開くと同時に、眩い光の中から一頭のペガサスが飛び出し、落下する二人を空中で優しく受け止めた。
「……っ、あ……」
パニックで過呼吸気味の🌸を、ディーノは自分の胸の中に深く沈めるように抱きしめた。
「大丈夫だ。俺が、絶対に死なせない。……ごめんな、こんな怖い思いをさせて」
雪の舞う夜空で、ディーノの放つオレンジ色の炎だけが二人を温かく照らしていた。
🌸は、震える手で彼のコートを必死に掴んだ。
目の前にいるのは、いつものドジな彼じゃない。
人智を超えた力で自分を救い、大空を翔ける彼の真の姿。
けれど、自分を抱きしめる腕の震えと、トクトクと刻まれる彼の鼓動の速さは、誰よりも彼女の無事を祈る一人の男のものだった。
スカイツリーの展望フロアへ、スクーデリアが静かに舞い戻った。
窓際で待ち構えていた部下たちが、二人の姿を確認するなり、一斉に駆け寄ってくる。
「ボス! 無茶しすぎです!」
「あんな高さから飛び降りるなんて、心臓に悪いですよ!」
部下たちは敵を完全に制圧し、拘束し終えていた。
口々に小言をぶつけながらも、その表情には隠しきれない安堵の色が浮かんでいる。
「はは……悪かったよ。でも、身体が勝手に動いちまったんだ」
ディーノは照れくさそうに笑いながら、ようやく🌸を地面へと降ろした。
彼女の足元はおぼつかず、震える膝を支えるように、ディーノがその肩を抱き寄せている。
そこへロマーリオが歩み寄り、床に転がっていた鞄を拾い上げて差し出した。