第8章 一日遅れのショコラと、プロポーズ【 REBORN ディーノ】
その日の夕食は沢田家でご馳走になることになったディーノ。
平和な食卓を囲みながらも、彼の頭の中は先程の女性のことでいっぱいだった。
「ディーノさん、そんなにタオル見つめてないで食べてくださいよ。ハンバーグ冷めちゃいますから」
「……あ、ああ、悪い。ついさっきのことを思い出してさ……」
ツナに窘められようやく箸を動かそうとしたその時、玄関のチャイムが鳴り響いた。
「はーい、どなたかしら?」
奈々が明るい声で玄関へ向かう。
食事の手を止めたディーノの耳に届いたのは、つい数時間前に聞いたばかりの、鈴を転がすような澄んだ声だった。
「こんばんは、奈々さん。これ、さっき焼き上がったばかりなんですけど、よかったら皆さんで……」
「あら、🌸ちゃん! いつもありがとう。ちょうど今、お客さんも来ているのよ」
「……えっ?」
心臓が跳ねたディーノは椅子を蹴るような勢いで立ち上がり、吸い寄せられるように玄関へと向かった。
「ディーノさん!? 急にどうしたんですか!」
慌てて後を追うツナ。
玄関先ではタッパーを手にした🌸が、顔を出したディーノと正面から視線をぶつけ合わせていた。
「あ……! さっきの……!」
🌸が驚きに目を丸くする。
「君……! なんで、ここに……!?」
「あら?知り合いなの? 🌸ちゃん」
不思議そうに首を傾げる奈々に、ツナが背後から声を上げた。
「ええっ、🌸さん!? ディーノさんが言ってた救世主って、🌸さんのことだったんですか!?」
「知り合いどころか、恩人だよ! ……というか、ツナの知り合いだったのか?」
ディーノは呆然と立ち尽くした。