第7章 【名探偵コナン✖︎呪術廻戦】
五条の笑みが消えた。
路地裏の空気が一瞬で氷点下まで下がったような錯覚に陥る。
「……君。なんで傑の名前を知ってる? 傑は僕が、この手で……」
「わかってます! だからこそ、あなたは動揺する。その一瞬が命取りなんです! あなたがいなくなれば、たくさんの術師や一般人が死にます。渋谷が地獄になるんです!」
一気にまくし立てると、五条は黙り込んだ。
六眼が🌸の動悸、血流、そして「嘘」をついているかどうかを冷徹に分析しているのがわかる。
「……面白い話だね。……で? 根拠は? 君、呪力もほとんどない一般人でしょ。何を持ってそれを信じろって言うわけ?」
核心を突かれ、🌸は言葉に詰まった。「漫画で読みました」なんて言えるはずがない。
「……それは、その……」
「言えない? 呪詛師の差し金?」
「……予知夢、なんです」
🌸は絞り出すように嘘をついた。
「昔から、たまに視るんです。断片的な、でも絶対に変えられない未来を。……信じてください。ハロウィンの日、夏油さんの姿を見た瞬間に逃げてください!」
五条はしばらく🌸を見下ろしていたが、やがてフッと息を吐いて目隠しを戻した。
「……ま、君が嘘をついてないことだけは分かったよ。あまりに必死すぎて、心臓が爆発しそうだしね」
「……信じて、くれるんですか?」
「検討はしておくよ。傑の体については、僕も少し気になってたしね」
「……はぁ、言った。全部言った……」
五条を見送った路地裏で、🌸は膝から崩れ落ちそうになるのを必死に堪えていた。
最強の術師を前にして、心臓が口から飛び出すかと思った。
「ねえ、君。一応、連絡先交換しとこうか」
去り際に五条がさらりと言い出した時、🌸は本気で「嫌です」と言いかけたが、ここで拒否して渋谷が火の海になるのを黙って見ているわけにもいかない。
「……世界の平和のためなら、仕方ないです。変なスタンプとか送ってこないでくださいね」
「ははっ、手厳しいね。じゃ、また連絡するよ。気をつけて帰りな、予知夢のお姉さん」
五条は軽快な足取りでポアロへと戻っていった。
🌸はそれを見届け、逃げるように反対方向へと歩き出す。