第6章 【ハイキュー!!✖︎名探偵コナン】
音駒高校、放課後の体育館。
練習の合間の給水タイム、部員たちの視線はある一点に注がれていた。
そこでは、いつものように🌸が研磨にタオルを渡し、クロと談笑している。
一見すると微笑ましい幼馴染の光景だが、空気はどこかピリついていた。
「……なぁ、今日もアレ始まってません?」
犬岡が声を潜めて、隣にいた海に尋ねる。
「ああ。黒尾と研磨……今日はいつもより火花が散ってるね」
海が穏やかに微笑む先では、絶賛、静かなるバトルが繰り広げられていた。
「ねぇ、🌸。今日の数学のプリント、見せてほしいんだけど」
研磨が、🌸の制服の裾をちょんと引く。
「あ、いいよ。あそこ難しかったもんね。放課後、一緒にやる?」
「うん。……二人で、家で」
研磨が、背後に立つ黒尾をチラリと一瞬だけ見た。
その目は「同じクラスの特権」を存分に誇示している。
「……あー、いいな。同じクラスは話が早くて助かるよなぁ?」
黒尾が、こめかみに青筋を立てながら割って入る。
「🌸は道場の仕事もあるんだぞ。あんまり甘えて時間を奪うなよ」
「別に……🌸が良いって言ってるんだから、いいじゃん。クロは自主練でしょ。俺は、🌸と……帰るから」
研磨の淡々とした、しかし決定的な先制攻撃。
黒尾はぐぬぬ、と喉を鳴らしながらも、切実な「同じクラスになりたかった」という叫びが、背中から溢れ出している。
それを遠目に見守る部員たちは、もはや恒例行事を見るような目で見守っていた。
「黒尾さん、今日も研磨さんにクラスメイト・アドバンテージで負けてるっすね……」
リエーフが素直すぎる感想を漏らすと、夜久がその脇腹を小突いた。
「バカ、声がでけぇよ! ……まぁ、実際そうだけどな。黒尾はあんな風に余裕ぶってるけど、🌸のことになると途端に必死になるから見てて飽きねぇわ」
「でも🌸さん、全然気づいてないですよね……」
芝山が困ったように笑う。
当の🌸はというと、クロと研磨の間で火花が散っていることなど露知らず、「えーっと、プリントはカバンの中かな?」と呑気にファイルを探していた。