第5章 その一瞬を切りとる君 【ハイキュー!! 宮侑】
侑はポケットから、小さな、けれど高級感のある箱を取り出した。
「えっ? だって、さっきチュロスご馳走してくれたやん」
「あんなんは、バレンタインの時のクッキーの返しや。……こっちが、本命」
箱を開けると、街灯の光を反射して、華奢で美しいブレスレットが輝いていた。
「……っ、綺麗……。でも、これ、高いんちゃうの?」
「値段なんかどーでもええねん。……自分、ちょっと腕貸せ」
顔を真っ赤にして固まっている🌸の手を取り、侑はその細い手首に、ゆっくりと金具をかけた。
白い肌にシルバーの鎖がよく映える。
「……似合っとる。やっぱり、俺の見立てに狂いはなかったわ」
侑は繋いだ手を離さず、そのまま自分の方へと引き寄せた。
驚いて顔を上げた🌸の瞳に、真剣な、キャプテンとしての顔よりもずっと熱い、一人の男としての侑の眼差しが映る。
触れるだけのキス。
唇が離れた後、侑は彼女の耳元で、逃がさないと言わんばかりに囁いた。
「……好きや。ゾンビに夢中になっとる顔も、俺を撮る時の顔も、全部俺のもんにしたい」
「……侑くん」
「返事は『はい』か『イエス』しか受け付けへんからな」
あまりにも侑らしい、傲慢で、けれど必死な告白。
🌸は、新しく着けられたブレスレットの重みを感じながら、顔を真っ赤にして小さく頷いた。
「……断る理由、どこにもないやん」
「……っ、よし! 言うたな! 録音しときゃよかったわ!」
「もう! 雰囲気台無しやん!」
二人の笑い声が、夜のパークに溶けていく。
オタクとバレー馬鹿。
一風変わった二人の関係は、この夜、新しく、そして甘い一歩を踏み出したのだったーー。