第5章 その一瞬を切りとる君 【ハイキュー!! 宮侑】
「当たり前やん! 助けてもらうまでがセットのエンターテインメントやから! ほら、今の救出劇、バッチリ動画に収めたよ」
「自分……カメラ置いた言うても、結局スマホで撮っとるやんけ」
治が呆れ果てたように溜息をつく。
「撮るよ! ブ◯ロに絡むんは、今年のホ◯ナイの醍醐味なんやから! 侑くん、あんな風にスマートに助けてくれたら、私もっと感動したんやけど?」
「……あんなん、俺かてできるわ! ゾンビくらい、ボール一個あったら全部蹴散らしたるわ!」
「そういう野蛮なんは求めてへんのよ。もっとこう……『守られてる感』が大事なん!」
🌸はスマホの動画を再生しては、うっとりとため息をついている。
侑はそれが猛烈に面白くなかった。
さっきまで自分たちと一緒に笑っていた彼女が、自分以外の「イケメン(治安部隊)」に目を輝かせているのが、バレーでサービスエースを決められるより何倍も癪に触った。
「……決めた。自分、次の練習試合は絶対来いよ。あの白い服の奴らより、よっぽど凄いの見せたるからな」
「えー? ブ◯ロよりかっこええシーン、撮らせてくれるん?」
「当たり前や! 動画やなくて『一生もんの写真』撮らせたると言うとんねん!」
意地になった侑の宣言に、🌸は「期待しとくわ」と楽しそうに笑い、その後も治安部隊に対抗心を燃やす侑をなだめながら、五人で夜のパークを回った。
「ほな、いよいよ本番や! 最後にメインステージ行くで、ついてきて!」
🌸に先導され、侑たちはパーク内でもひときわ大きなステージの前へとやってきた。
そこはすでに黒山の人だかりで、熱気と緊張感が混ざり合った独特の空気が漂っている。
「……自分、ここでも場所取り完璧やな」
「当たり前やん、ここ、結構演出きれいに見えるんよ!」
やがて重低音のビートが響き渡り、ステージに照明が灯った。
そこに現れたのは、さっきの治安部隊とも似て異なる、煌びやかな衣装を纏ったダンサーたちと、可愛く踊るクマのゾンビたちだった。