第10章 闇堕ち
――もう、無理だ。
今の、みんなが嫌い。
あとで聞いた結果は、111対11。
最後のゴールは、自殺点だったとも聞いた。
……ふざけすぎてる。
私は、決めた。
この部活を、辞める。
職員室。
「……監督。今まで、ありがとうございました」
声は震えてしまった。
「あなたみたいな監督になってから、帝光中のバスケは壊れました」
「……呆れてます。ありがとうなんて、言いたくもない」
監督は、黙ったままだった。
自分でも、分かっているのだろう。
でも――許せない。
大輝に、あんな言葉を向けた大人を。
キセキの世代の心を、壊した大人を。
私は、許さない。
もう、私はバスケットを辞める。
そう決めて、職員室を出た。
廊下に、征くんが立っていた。
「雫。今まで、帝光中学校バスケットボール部に貢献してくれたことに感謝する」
「……こちらこそ。ありがとう」
短い会話。
それで、十分だった。
その日の夕方。
私は、ある人にメールを送った。
――今日、18時。
バスケコートに来てほしい。
そして、一人でコートに立つ。
夕焼けの中。
「……やっと来た」
振り返って、笑う。
「ね。バスケしよ」