第10章 闇堕ち
その帰り道。
ふと、「高校でも試合をやっている」という話を思い出した。
「……征くん。高校の試合、少し見てきてもいい?」
「ああ。バスに遅れるなよ」
許可をもらって、私は体育館へ向かった。
――すごく、楽しそうだった。
声を掛け合い、必死に走り、全員でボールを追っている。
「誠凛高校……」
プログラムを見る。
……え?
全員、1年生?
信じられない。
それなのに、試合のレベルはとても高い。
……こんなチームだったら。
こんなバスケができたら。
胸が、ぎゅっと締めつけられた。
しばらくすると、後ろから声がした。
「……茶郷さん?」
振り向くと、テツくんと、さっちゃん。
「なんで二人とも?」
「生徒手帳の忘れ物を届けるついでに、少しだけ試合を見ていました」
「しずちゃんは?」
「私は……」
言葉に詰まる。
「今の、みんなを……見ていられなくて、高校の試合をやってるって聞いて、少しだけ、来ただけ」
「……誠凛高校、いいチームですよね」
テツくんのその一言で、堪えていたものが、溢れた。
「……ほんとに、いいチーム」
「こんなふうに……みんなで、一緒にバスケしたい……」
気づいたら、涙が落ちていた。