第10章 闇堕ち
ある日の練習。
「ふざけんなよ!」
体育館に、いきなり怒号が響いた。
「毎回毎回あっさり抜かれてんじゃねーよ!止められなくても、何とかしねーと!ヘルプもへったくれもねーだろーが!」
――大輝の声。
「やってるよ……!青峰くんが凄すぎるんだって……!君を止められるやつなんて、いないよ……」
返す声は震えていた。
「くそが……!やってられっか!」
そう吐き捨てて、大輝は体育館を出ていった。
「青峰くん!」
「待て、青峰!」
監督やさっちゃんの声も届かない。
監督が追いかけたのが見えた。
――嫌な予感がした。
「さっちゃん。ごめん、ちょっと抜ける。せいくんに言っといて」
「しずちゃ――」
止める声を無視して、私は走った。