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青い人

第9章 壊れていく心情


後ろから抱きついていたのは、さっちゃん。

「最近、テツにグイグイ来るよな」

「てつくんのこと、好きなんだね」

「だって〜、我慢できないんだもん!」

「……すみません。早く、どいてもらえますか」

潰れた声でてつくんが言っていた。
さっちゃん巨乳だもんね。重いのかな。

……てつくん、重そう。

「つーか、話の腰折るなよ」

「えー、なになに?何の話してたの?」

「では、桃井さん」

てつくんが、
じっとさっちゃんを見る。

「桃井さんは、見つめられると見つめ返すタイプですね」

「なにそれ」

「それがミスディレクションに必要なの?」

「人にはそれぞれ、違う反応や癖があります」

「それを観察して、分類するんです。視線の誘導には、そういうことも必要です」

「じゃあ、俺らの癖も分かってんのか?」

「嘘をつくとき、青峰くんは必ず目を逸らします」

「……」

「茶郷さんは、聞かれたくないことを聞かれると、すぐ黙ります」

「……まいったな」

「ハハッ、ほんとにね。」

「無理に話す必要はありません。話したくなったときで」

「……ああ」

二人は、本当にいい関係だ。

そう思って、小さく笑った、その時。

「あ、いた!」

振り向くと、りょうくん、しんくん、あっくん。

「帰り、みんなでアイス行かねーっスか?」

「いいな」

「桃っちは?」

「私は試合データを赤司くんに渡さないと」

「最近、さっちんそういうのよく任されてるよね〜」

「茶郷も、赤司とビデオ見てトレーニング考えてるしな」

「二人とも、ご苦労なことなのだよ」

「あはは。意外と向いてたみたい」

「私もさっちゃんの手伝うよ。今日の試合の情報も見たいし。」

「そうか。じゃ、また今度な」

「うん、じゃあね」

そう言って振り返ると、大輝がりょうくんを小突いていて。

それを見て、二人で思わず笑った。

――その時は、まだ。

この笑顔が、いつまで続くかなんて、考えてもいなかった。
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