第9章 壊れていく心情
次の日の二軍練習試合。
バシュッ、と乾いた音。
最後に決めたのは、大輝だった。
「青峰、50点目!」
「なんだあいつ……止まんねぇ……!」
りょうくんとしんくんが、信じられないものを見るみたいに目を見開いている。
「……青峰くん……」
小さく呟く、さっちゃん。
そう。誰が見ても分かるくらい、大輝は凄かった。
私との1on1で、明らかに力をつけている。
コートの上の大輝は、確かに――楽しそうに見えた。
でも。
試合が終わった、その一瞬。
たぶん、気づいたのは私だけだった。
ふっと力が抜けたみたいな表情。
どこか、退屈そうな目。
……前の私に、そっくりだった。
「……大輝、お疲れさま」
タオルを差し出す。
いつもなら返ってくる「ありがとな」は、なかった。
胸の奥が、ざわつく。
――このままだと、大輝は。
そう思った瞬間、もう学校に着いていた。