第8章 5月
練習後。
「このチームで10点取った方が勝ちです!」
私はテツくんのチームに入ることになった。
「これで俺らはチームワークを見せつけて、勝ちゃいいんだろ?」
「はい!」
「雫、頑張ろうな!」
そう言って、大輝は私にキスをしてきた。
……最近、みんなにもうバレてから、隠そうとしないのどうにかなんないかな。
練習中は集中しているからか、そういうことはしてこないのに、練習が終わった途端これだ。
「う、うん。」
赤面する私も私だと思う。
「青峰くん、見せつけないでください、ものすごく腹が立ちます。」
「悪い悪い。」
「ほんとに悪いと思ってないでしょ!」
「バレた?」
そんなやり取りをしながら、試合が始まった。
今のところ、黒子チームがリードしている。
どうやら、あっくんがせいくんに何か文句を言い出した。
それでもゲームは止まらず、続行された。
次のセット。
りょうくんと大輝が、同時にダンクを狙ってぶつかった。
ドン、という鋭い音が響き、二人とも尻もちをつく。
「いっ…ててぇ…」
私はすぐに駆け寄った。
「大輝!大丈夫!?」
「おい、何やってんだよ黄瀬ぇ!今のはテツからおれのリターンだろ!?」
「なんでっすか!どー考えても俺へのパスだったじゃないすか!」
「はぁ!?俺だろ!」
「俺っす!」
[ぐぬぬぬ…くぅ…うぬぬ…]
今度は、大輝とりょうくんの二人が喧嘩を始めてしまった。
「ちょっと2人とも落ち着いて!!」
私が二人を必死に止めている間に、しんくんとあっくんの方は、どうやらなんだかんだで解決したらしい。
「吐いてるのだよー!」
しんくんの声を聞いて、私は慌てて袋とティッシュを持ち、てつくんの元へ向かった。
「てつくん、これ使って!」
そう言って、私は背中をさすってあげる。
その時だった。
じっとこちらを見つめる視線があることに、私はまだ気づいていなかった。