第8章 5月
雫side
昨日、
テツくんとりょうくんが二軍の試合を見に行って、そのまま少し仲良くなったらしい。
テツくんは正直、すごい選手だ。
だからきっと、りょうくんも認めたんだろう。
そんなことを考えていた時だった。
「灰崎くん、バスケ部辞めたみたいです」
ふいに、そんな声が聞こえた。
「そっか。やっぱ灰崎は辞めちまったのか。じゃあ、しょうがねぇな」
「少し冷たくないですか?」
「お前が言ってダメだったんだろ。それならもう、しょうがねぇじゃねぇか」
その会話を聞いて、私は思わず口を挟んでいた。
「しょうくんは、辞めて正解だと私は思うよ」
「茶郷さんまで……」
「灰崎はプライドが高い。俺たちや先輩が何言っても、逆効果にしかならなかっただろ」
「ですが……」
「ったく、いつまで甘いこと言ってんだ。俺たちはチームメイトであると同時に競争相手だろ。いつから人の心配できるほど偉くなった?振り返ってる暇があるなら、走れ!」
……虹村先輩、やっぱり芯がある。
「テツくん、虹村先輩の言う通りだよ。しょうくんは才能はあるけど、バスケを大切にしてない。そんな人を引き止めても、何も変わらない」
そう言った直後だった。