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青い人

第6章 ストリートのバスケ


試合が始まる。

ボールの音だけが、夜のコートに響く。

最初の一本。
どっちも譲らない。

――この最初の一点が、きっと勝敗を分ける。

そう思った。

先に決めたのは、大輝だった。

「っしゃ!」

「はは……ほんと凄いな。でも、まだまだこれから!」

すぐに、やり返す。

「雫もほんっと強ぇな。負けてらんねぇ」

点を取り合って、気づけば――10対8。

勝ったのは、大輝。

「はは、ほんっと強いね!もう一回やろ!」

テンションが上がりすぎて、大事なことを忘れてた。

「雫。俺の言ったこと、忘れてねぇか?」

「あ……話?バスケ終わってからでもいいじゃん!」

「ったく……ほんとバスケバカだな」

「それは大輝もでしょ!次は本気でいくから!」

「お前、さっきまで手ぇ抜いてたのか?怒るぞ、マジで」

……え?

今それ言うってことは、練習で手抜いてるの、バレてない?

「冗談だって。私はいつでも本気だよ」

一瞬だけ間を置いて、続ける。

「でも次は……違う方で本気出そうかな」

「はぁ?何言って――」

私はドリブルをついて、一気に距離を詰めた。

抜く。

「……ストリートの動き?」

「あれ?言ってなかったっけ。私、アメリカ出身だから。どっちかって言うとストリートバスケの方が得意」

「はは……奇遇だな」

そう言って、大輝は一瞬で私を抜き返す。

「俺も、そっちの方が得意だ」

……やり返された。

「やば。これ、楽しいね。もう一回、10点先取!」

「望むところだ!」
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