• テキストサイズ

青い人

第6章 ストリートのバスケ


勝って、負けて。
何度も繰り返して。

気づいたら、二人とも汗だくで。

時計を見る。

「……待って。もう22時だよ。帰らないと補導される!」

「あれ?もうそんな時間かよ」

大輝は頭をかいて、少し不満そうに言った。

「俺、お前に話したいことあったのに……って、寒っ。汗冷えてきた」

言われて、私も身震いする。

「ほんと寒い……早く帰ろ?」

「ふざけんな。俺の話は――」

そんなに、話したいことって何?

一瞬、迷ってから口を開く。

「あ……そんなに話したいなら、私の家すぐそこだし……来る?」

言ってから、気づいた。

やばい。

「……は?お前、親は?」

「私、一人暮らし」

その瞬間、大輝にめちゃくちゃ呆れた顔をされた。

「……はぁ。お前、少しは危機感持て」

「男を家に誘うってことが、どんだけ危ないか分かってんのか?襲われたいのか?」

――バカ。

今さら、理解した。

好きな人を、無意識で家に誘うとか……私、何してんの。

顔が、熱い。

「……ごめんなさい」

小さく言う。

「大輝には……心、許してるとこあるから……」

そう言った瞬間、大輝は、ふっと笑った。

ずるいくらい、優しい顔で。

「……俺に心許してんのか、なんで?」

「え……それは……」

言葉に詰まった、その時。

「……やっぱ、お前の家行くわ」

「泊まらせて」

「……え?」

なんで、そんな急に。

「……わ、分かった」

そう答えた声は、自分でも驚くくらい小さかった。
/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp