第5章 触れた過去の余韻
その後はついでなので、十六夜家に寄った。
早く帰ろうと言う悟さん。
ちょっとでもデートはしてくれないのか…。
両親に挨拶すると手を繋がれ、いきなり身体が浮き上がった。
何かと思って周りを見渡すと、家を見下ろしている。
「早く帰ろ」
ニコッと笑って繋いだ手を上に上げると、気付いた時にはどこかのビルの上にいた。
いや、この風景…悟さんのマンションだ。
そして、いつの間にかエントランスの入り口にいた。
そのまま中に入って部屋まで上がる。
飛行機や新幹線を使っていたのに、なんで今回はこんな…これも悟さんの力なのかな。
部屋に入ると、今さら怖くなって悟さんに抱きついた。
悟さんの力ってよくわからない…。
「ははっ、どしたの?
もしかして、怖かった?」
髪を撫でられながら上から聞こえる笑い声に、少し不貞腐れていた。
ひとこと、何か言ってからにしてよ…。
ぎゅっと抱き締められて足が浮き、そのままリビングに連れていかれた。