第5章 触れた過去の余韻
悟さんのご両親に挨拶をすると、仲良くしているのかと聞かれ、「はい」と頷いた。
仲良い…よね?
そう思ってるのが私だけだったらどうしよう…。
「20歳なる前に子供が出来ちゃいそうなくらいには、仲良くしてますよ」
驚いてバッと悟さんを見た。
ご両親は溜め息を吐き、頭を抱えた。
"そっち"の仲良く、ではないと思うの…。
恥ずかし過ぎて俯き、顔を上げられないでいると、早々に解放された。
部屋を出て、悟さんに手を引かれる。
「ひゃ…!
んっ……さ、さとる、さっ…」
部屋から少し離れると、いきなり手をグイッと引かれて、唇を奪われる。
後頭部を押さえられて、舌が激しく絡んだ。
口内をぬるぬると這いずり回って、必死に唾液を飲み込んだ。
唇が離れて、指で軽く撫でられる。
目隠しをずらして、優しい表情をした。
「照れてる葉月が可愛くて、抑えられなかったよ」
クスクスと笑う悟さんの目線が私からずれて、奥を見つめる。
どうしたのかと思い振り向くと…ご両親が見ていた。
そっと視線を戻して、何も見なかったことにした。
それでも、心臓はうるさいほど鳴っている。