第4章 過去の引力
直哉くんの部屋に通され、あの日のことを思い出した。
ここで私は…直哉くんは振り向いて、既視感のある卑下た笑みを浮かべた。
「はよ脱ぎや。
あん時、葉月ちゃんだけ気持ちようさせたったんやで?
今日は俺の番や」
「なっ……悟さんがいるので無理です」
「脱ぎや。
なんべん言わせんねん」
それでも頑なに脱がずにいると、お腹を蹴られて尻餅をつく。
足癖が悪いのも変わってない。
直哉くんはそのまま私の膝を跨ぎ、服を乱暴に裂いた。
悟さんが選んで買ってくれた服。
痕跡が残るようなことをして、どうするつもりなのか。
「どうなん?
悟くんに開発されとるん?
ちゅーか、名ばかりの婚約者やろ?
やっとるん?」
質問ばっかり…こんなこと、答える必要はあるのか?
胸を隠そうと手を動かすと、手首をギリッと掴まれた。
悟さんが好きな下着を見られて、恥ずかしかった。
あの日の恐怖と羞恥心が蘇ってくる。
ふいっと顔を背けると、両腕を片手で押さえられ、ブラのホックを外された。
胸が空気に触れる。
「よう育っとるやん。
ほな――しゃぶってもらおか」
嫌だと顔を限界まで反らしても腕を引かれて、いつの間にか露出していた直哉くんのソレに顔が当たる。
「悟くんに言ってへんのやろ?
俺らが何したか――ええんか?言ってまうで。
嫌ならしぃや」
怖いのか恥ずかしいのかよくわからなくて、涙がポロポロと零れる。
それよりも…ただ、嫌だった。
今はもう、悟さんが好きで…直哉くんのことなんて、なんとも思ってない。
ずっと泣いたまま目を閉じて、男の欲を咥えた。