第4章 過去の引力
「よう来てくれはったなぁ。
悟くん、葉月ちゃん。
こっちやで〜」
直哉くん…変わってない。
揺れる金髪についていく。
当主の直毘人さんの部屋まで来て、少し話をした。
いや、直毘人さんの話は長かった。
悟さんの隣で正座をしていると、痺れてきてしまう。
「葉月ちゃん、疲れたやろ?
ちょっと来うへん?
悟くんが相手してくれとるから、大丈夫や」
コソコソと話しかけてくる直哉くんを見上げ、悟さんを見る。
「なんかあったら、すぐ叫んで」
小さな声が聞こえて、直毘人さんに頭を下げてから悟さんに、「行ってくるね」と伝える。
すると直哉くんが直毘人さんに「席を外す」と伝えたので、痺れた足を隠しながらついていった。
本当は行きたくない。
けど、断ってもどうなるかわからない。
悟さんが止めなかったから行く。
私は悟さんの言うことを聞いておけばいい。
「どないなん?
悟くんとの生活。
おもろいんか?」
軽い直哉くんの後ろを三歩下がってついていく。
あんなことがある前は――この人の後をついていくのが好きだった。