第4章 過去の引力
タクシーで空港へ向かい、飛行機に乗る。
こっちに来る時は新幹線だったな…飛行機の方が悟さんの隣にいる時間が短い。
ボーッと窓の外を眺める悟さんを見つめていた。
「そんな見られてると、照れちゃう」
目隠しをしている悟さんの顔は窓に向いたままなのに、手は迷いなく握られた。
ドクンッと跳ねた心臓が、そのまま音を保って脈を続ける。
一瞬、鼻で笑ったような音が聞こえて、私たちはその後、ひと言も喋らなかった。
飛行機が着陸して、やっと言葉を発する。
「行こっか」
飛行機から降りてタクシーに乗り、真っ直ぐ禪院家へ。
だんだんと見慣れた景色が増える度、昔のことを思い出していった。
「葉月ちゃん、あまり僕から離れないでね。
禪院家はあんまり――好きじゃない」
「うん、わかった」
禪院家の屋敷が見えてくると、タクシーの車内は沈黙に包まれた。