第4章 過去の引力
結局、ご飯は朝と昼が一緒になってしまった。
そして悟さんも、家を出る時間が近付く度、機嫌は元に戻っていく。
悟さんはどうして機嫌がよくなったんだろう。
どうしてさっきの行為はあんなに荒々しかったの?
よくわからない悟さんを見つめては、首を傾げる。
それでも一度も痛いと感じなかったのは、悟さんが優しいから…。
「はぁ……行く前にもっかいしない?」
「さすがにもう、私が無理…」
一体、何度達したかわからない私はご飯も作らず、ソファに倒れ込んだままだった。
悟さんは笑いながら私の頭を持ち上げ、自身の長い足の上に乗せた。
「ごめんね、いっぱいイかせちゃった。
ねぇ…さっきの夢――ふっ、なんでもないよ」
悟さんは髪を撫でて微笑んだ。
夢のことが気になっているんだろうか。
あの過去を言いたくはないけど、黙っているのは悟さんに嘘をついてるのと同じだと思った。
「昔の夢、見たの。
昔好きだった人がいて…その人に、触ってもらう夢。
――夢だよ」
ごめん、さっき見てたのは、"夢"だから…。
「ふーん……まっ、いいや。
――今は僕が好きなんでしょ?
思い出さない方がいいよ。
どうせ、僕から離れられないんだから」
「うん……え?」
なんだか、嫉妬しているような言い回しに、思わず反応してしまった。
普通のことを言っているように感じるが、少し声が尖っていた気がした。