第4章 過去の引力
お湯を貯めてからお風呂に入ることにした。
お腹はぐぅぐぅ鳴る程空いているが、先に汗等を洗い流したい。
水を持ってきた悟さんが口移しで飲ませてくる。
口の端から零れると、悟さんがそれを舐め取った。
「ふふ、かわい」
「……え?」
なんか、やっぱり…今日の悟さん、変。
何度かちゅっちゅと唇を触れさせて離れる。
嬉しいし恥ずかしいはずなのに、よくわからなくて首を傾げるばかり…。
そのまま抱えられ、部屋から出ていく。
脱衣所で降ろされて、ベビード……ネグリジェを脱がされた。
シャワーで汗を流し湯船に浸かると、後ろから抱き締められる。
私の頭の上に顎を置いて、鼻歌を口遊んでいた。
「ふっふふーん……あっ、そうだ!
葉月ちゃん、今日は夕方に出るよ。
明日の夜には帰って来れると思う。
一応、挨拶してこいって〜
面倒臭いよね」
「ん?私も?」
「そうだよ?
禪院家。
行きたくないよね〜」
禪院家…?
行きたくない……というか、なんで当日に言うの…。
本当はもう出る予定だったが、"ラブラブしてたから夜で〜"と連絡したらしい。
なんとも悟さんらしく、軽い…。
「ら、らぶらぶ…?」
「ん、してたでしょ?
アンアンして可愛かったね〜」
無視した。
どうせ、赤くなった顔は見えないだろう。
機嫌がよすぎる悟さんは――色々と危ない。