第3章 蒼の侵食
重なった唇は私を抱き締め、絡め取る。
私からした口付けは、始めから主導権は私ではなかった。
お互いの熱をぶつけ合うような、激しいキス。
お風呂で体温を上げてきた悟さんは、その舌の熱を私に移した。
目を開ければ、いつもよりも湿度を上げた蒼の瞳が薄く開いたまま、私を捕らえて離さないと熱に揺れた。
そしてゆっくりと閉じられて、後頭部を掴んだ大きな手がどこにも逃げられないように私を閉じ込める。
また一段深くなった口付けが、私の脳を溶かした。
心臓は痛くて、下腹部は切なく疼く。
震えた息は、鼻だけでは足りないと、角度を変える度に出来た隙間を逃がさない。
「ん…ふぁ……はっア…んっ」
酸素が足りない。
ただ翻弄されるだけの私は、力が入らなくなった身体を悟さんに預けた。
初めてのえっちなキスは、愛しい人が甘く溶かした。
「ちゅーだけでそんななってたら、持たないよ?
今日が君の本当の"ハジメテ"にするから__」
左手で太腿に触れ、右手でお尻を持ち上げられた。
グンッと勢いよく上に上げられ、少しの浮遊感を味わう。
ほんの一瞬離れた唇は、私の何もかもを喰らい尽くすように重なった。
そのまま移動する悟さんが愛しくて…この瞬間だけは愛されているのだと、勘違いをする。
お願いだから…離さないで――捨てないで。