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【呪術廻戦】死が分かつまで〈五条悟〉

第3章 蒼の侵食


駅に止まった電車から飛び出して、腰を押さえながらトイレに走る。
個室に入って紐を結ぼうとしたけど、それよりも先に吐いてしまう。

指先が冷えて震えたまま。
口元を拭いてから紐を結び、震えた手で鍵を掴む。


「なんで……ばか…」


どうしようもない恐怖と怒りをどこかにぶつけていた。
それでもトイレから出て、学校へ向かう。
弱いままでいたら、婚約者に笑われる。

急いで学校に向かっていると、誰かにぶつかって尻餅をつく。
前、ちゃんと見てなかった。


「ご、ごめん…大丈夫…?」

「あ…私の方こそ、申し訳ございません。
周りを見ていませんでした…」


顔を上げると、前髪で片目を隠した男の子が立っていた。
手を伸ばして屈む瞬間、前髪が揺れる。
額にはたくさんの火傷の跡があった。

私とあまり変わりないように見えるけど、着ているのは制服ではない。
年上なのかな…。


「顔色…悪いみたいだけど、大丈夫?」

「え?あ…はい、大丈夫です。
お心遣い、ありがとうございます」


差し出されたままの手を握り、起こしてもらう。
立ち去ろうとするその男の子を引き止めた。


「あの!何かお詫びをしたいのですけど…お名前を伺っても?」

「何もいらないよ。
優しいんだね……
僕は、吉野順平だよ。
じゃあ…気を付けてね」


すごく柔らかくて優しい声。
顔にはどこか影が落ちていたけど、優しい表情をしていた。


「順平くん!
また会えたら…その時はお話したいな」


順平くんは一度止まったが、振り向くことなく去っていった。


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