第2章 痛みの始まり
静かな部屋に水音が響く。
腰が震えて、柔く指を締め付けた。
「昨日はごめんね。
僕もイライラしててさ…仕事詰まってるのに、顔合わせごときに呼ばれて」
「ぁ…ごめ、なさ……私なんかと…んぁ」
「そういうことじゃなくてさ……
ごめん」
この人は、本当は優しい人なんだ。
でもあまり物事に興味がなくて、言動が冷たく感じるだけ。
込み上げてきた熱がじんわりと全身に伝わって、抑えられなかった声が、少しだけ部屋に響いた。
僅かな水音を立てながら指が抜かれていく。
「気持ちよかったでしょ。
2回もイっちゃったもんね。
中と外、どっちがよかった?」
ニコニコしながら聞いてくるので、上手く答えられなくて、「どっちも」と零していた。
クスッと笑った婚約者が私を抱き上げて、膝の上から退かす。
スマホを操作し、そのまま廊下の扉へ向かっていった。
あれ…。
「悟さん、しないの?」
「あれ、したかった?
でもさ、これでおあいこでしょ?
昨日、僕だけが気持ちよくなったんだし」
じゃあ、何の為に勃起させたの…。
舐める必要あったのかな?
ただ、服従させるような…そういうのが見たかったのだろうか。
あなたなら簡単に私に言うことを聞かせられるでしょ?
"20歳の誕生日にしない"なんて脅されたら、私は拒むことなんて出来ない。
しないと――死んでしまうのだから__。