第2章 痛みの始まり
心地よく眠っていると、名前を呼びながら肩を揺さぶられる。
ここにいるのは私一人のはずなのに…。
「起きてって。
寝るならベッドにしなさ〜い」
「さとる、さん…?」
なんでいるの。なんで帰って来てるの。
帰って来ないって言ってたじゃん。
私のハッピーライフが…。
起き上がり、脱ぎ捨てたカーディガンを抱える。
帰って来るなら教えて欲しかった。
ご飯も何も準備出来ていない。
「ごめんなさい…
何もしてない…」
「それはいいんだけどさ…
目ぇ覚めたんなら――
ん。舐めて」
手を引かれ、婚約者の股間へと誘導される。
舐めるって…なに?
触れたソコは、昨日みたいに硬くなっていなかった。
「え、えっと…?」
「なに、出来ないの?
しないと――20歳の誕生日にえっちしてあげないよ」
婚約者の声だけが響く部屋で、奥歯をグッと噛んで、髪を束ねた。