第2章 痛みの始まり
靴を脱ぎ揃えてから、廊下の奥を見つめる。
婚約者と一緒に暮らすなんて嫌だったけど、自由だ。
何しても怒られない、何もしなくても怒られない。
廊下を走って正面の扉を開けた。
日光が差し込んで、キラキラと光る部屋。
目の前には空が広がっていた。
大きなソファに飛び込み、顔を擦り付ける。
陽の光が当たっていて、とても気持ちよかった。
清潔感はあるし、いい匂いがする。
鞄を下ろし、カーディガンを脱ぎ捨てた。
仰向けになって天井を見つめる。
ふかふか…。
「このまま、結婚したくない…」
子供だけ産んで、結婚はしなくてもいいんじゃないか。
どうせ、体面ばかりを気にする両家は許してくれないけど。
子供を産んだら逃げてしまおうか…子供がいたらそれでいいだろうし、私がその子に情が湧くとは思えない。
好きでもない人との子供なんて…。
温かさに微睡み、目を閉じた。