第3章 脹相の場合
栄養ドリンク、おかゆ、ゼリーに飲み物…
「なんでそんなことを…?」
質問の意図を問う前に脹相が視線を茉奈へと戻しハッキリと返答する。
「風邪を引いているだろう」
「えぇ!?…確かにそう言われれば顔が赤いかも…?」
虎杖がむむむ、と声を出しながら茉奈を見つめるが、本人すら自覚症状の無い状態で他人が分かるとは思えない。案の定首を傾げた虎杖に脹相も首を傾げた。受胎九相図である脹相は人間と呪霊の混血だ、人間には感じ取れない何かを感じるのだろうか?血を扱う術式だからこそなのだろうか?
「とりあえずゆっくり休め、後始末は悠仁と俺で済むだろう。帰りに先程言っていたゼリーとやらも買って来てやろう」
「まぁ、ほとんど茉奈が倒しちまったから後始末って程のものも残ってないだろうけどな!ついでにコンビニ寄ろうぜ脹相!」
「え…あ、なんかすみません。後よろしくお願いします」
部屋に入ると確かに肌に触れる制服にピリピリと不快感を感じる。熱が出る予兆のような…、そう思った茉奈は脹相達の言葉に甘えてさっさとベッドに入ることにした。
二人がコンビニで何を買おうか考えながらウロウロする姿を想像しつつ眠りについたからか、夢の中では二人が手あたり次第に商品をカゴに入れていく夢を見た。
若干うなされていた茉奈は、遠くにインターホンの音が聞こえ目が覚める。
「調子はどうだ?」
「脹相さん!…あれ?虎杖先輩は?」
虎杖を探すようにキョロキョロと視線を動かす茉奈に脹相はムッとした表情を見せた。悠仁がいないのがそんなに不満なのか?と脹相は口に上りそうになった言葉をぐっと飲みこみ茉奈の背を部屋へと押し込んだ。