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【呪術廻戦】風邪を引いたとある1日【短編集】

第3章 脹相の場合



「口にキス…なるほど。だから熱が下がらなかったのか。だが昨日は楽になったと…」

あの状況で「そこじゃなくて唇ですよ」なんて言えるはずも無いし、恋人でもないのにそんなことしてどうするのか…。

サッと寄越された視線をサッと避けただったが、脹相の善意は確かに嬉しかったのだ。それだけでも伝えなければ。

「脹相さんが看病してくれたのは本当に嬉しかったです。それに本当のキスは好きな人とするものですから、たかが風邪をうつしてもらおうと他人とキスするなんて聞いた事ありませんよ。差し入れとかの気遣いだけでも十分有難いですし、あとは自力で治ります」

「そうそう!風邪うつすために他人にキスするのは嫌がらせで面白いかもしれないけど…な…」

むにゅ、と何かが自分の口に触れ視線を動かすと虎杖が笑顔から驚きの表情に変わっていくのが見える。視線を戻すと眼前には紫の眦。近い。

「これで大丈夫か!?」

両手で顔を押さえられたまま茫然とするだったが、我に返って「ちょっと!」と口を開いた。が、それも飲み込まれるように深いキスが重ねられくぐもった声が漏れる。
口内に何かが侵入してきて思わずは強く脹相を押し返した。どうやら呪力が篭っていたらしく脹相は尻餅をつくように弾かれていた。

「なにを…なにをしてんのよー!!!」

熱なのか恥ずかしさなのか、全てが混ざり合ったのか真っ赤な顔で叫ぶの姿に虎杖は茫然とする脹相を引きずって部屋を出て行った。
普段からお兄ちゃん然としている脹相があんな暴挙に出るとは互いに想像していなかったのだ、謝罪とも許諾とも違う、何を言えばいいのか分からなかった。きっと虎杖も同じ考えだったのだろう、だからこそ無言で出て行くことにしたのだ。

今度こそ血圧上がり過ぎたのかプツリと意識が途切れ倒れ込んだ。
後日脹相の謝罪とともに関係が進展したかどうかは二人だけが知る話。

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