第2章 伏黒 恵の場合…※R18
身体を起こした茉奈は伏黒の問いが理解できずピタリと動きを止める。
その姿は彼氏がいることを言いあぐねているように見えた伏黒は何かを言おうと口を開いたが、それよりも先に茉奈が苦笑いしながら答えた。
「彼氏なんかいないよ。家族だっていないし、ってコレは伏黒君も知ってるか。看病なんて小さい頃以来かなぁ」
熱のせいか鼻が詰まっているせいか「ふへへ」と変な笑いをする茉奈が枕もとのペットボトルを持つが、力が入らないのかキャップが回らない。
「ふんぐぐぐ…」
「貸せ。ほら」
ペキッと軽い音を立てて開かれた水のペットボトルを渡そうとした伏黒だったが、先程の握力を見るに茉奈がペットボトルを落とす確率を計算して渋い顔をした。
落とす、確実に落として布団が濡れる。そうなったら看病どころじゃなくまず寝床を作らなきゃならなくなる。
…めんどくせぇ。
「茉奈、我慢してくれ」
「伏…?んむ…」
ゴクリと喉を通っていく水は冷たいはずなのに少し温い。
自分の想像以上に喉が渇いていたのだろう、もっともっとと柔らかく湿った温かいモノを絡めとる。夢中で水分を求めていると口の端から首に水が垂れていく感覚に目を開いた。
「もっと水…欲しい、伏黒君…」
「お前…厄介すぎんだろ…っ」
水を求めて伸ばした手を掴んだ伏黒は水を口に含むと茉奈の口を塞ぐように重ねたままベッドへと押し倒す。蓋を閉める余裕もなく投げ出されたペットボトルが床に水溜まりを作るがそんなことを気にしていられるほど伏黒は冷静ではなかった。
喉が動き水を飲み込んだのを確認すると伏黒は舌をゆっくりと侵入させる。慣れているのか無意識に伏黒の動きに追従しているのか茉奈の舌が誘い込むかのように伏黒の舌を絡めとっていく。その感触にゾクリと背に走るのは快楽でもあり、底無し沼に脚を踏み入れたような恐怖のようにも思えた。
スウェットの隙間に手を差し入れると茉奈の肌の熱がじんわりと手に伝わる。
息継ぎの時間すら惜しいとばかりに重ねられる唇に両者の息は上がっていき、クラクラと酔うような感覚の中伏黒の手が腹から首へと撫で上げると上衣がめくれ何もつけていない胸が露わになる。
「ん~…暑ぃ…」