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【呪術廻戦】風邪を引いたとある1日【短編集】

第2章 伏黒 恵の場合…※R18



つまりは男女の仲に発展するとは微塵も考えていないという返答に伏黒は何とも言えない気分になり「そういうことか」と呟いた。
先程よりも暗い(黒い)雰囲気が穏やかになった気がした茉奈はそのままシンクに向き直り洗い物を始める、シンクに来たついでだ、さっさと終わらせて伏黒を安心させて帰って貰おう。

ワシャワシャとスポンジを泡立てながら思う。
なぜこの男は背後から離れないのか、と。
背中に当たる視線が痛いんですけど…。

「あの、すぐ終わるから座っててもいいよ?」

「病人が働いてるのに俺が座ると思うか?」

えぇ~…、逆亭主関白か?
ここの家主は私のはずで、主権は私にあると思っていたが伏黒の中では違うのだろうか。

「熱は無いし軽い風邪だってば、ホラ、洗い物終了!」

手に着いた泡を流し水栓を締めると、どうですか!と言わんばかりにシンクを指差し伏黒に確認を取るとコクリと頷いた伏黒にそのままベッドに座らされた。
薬と飲み物を渡され、それを飲むと横になるように言われ、布団をかけられる。

あれ?普通に看病してくれてる?
本気で心配して見舞いに来てくれたんだ…

中学時代の伏黒はあまり人と接さないタイプだと思っていたから今回のこの行動はにとって予想外だ。
しばらくして薬が効いてきたのか寝息を立て始めた茉奈に一安心した伏黒はその瞬間、重大な事実に気付く。

「俺帰れねぇ…」

鍵をかけて外からポストインする方法→鍵がどこにあるか不明
鍵を探す→人様の私物を漁るという許されざる行為
鍵をかけずに出て行く→言語道断

三つまで方法を考えてはみたものの結局良い方法が見つからなかった伏黒は溜息を吐くと、諦めたようにベッドに寄りかかりスマホを触り始めたのだった。


「う…ゲホッ…」

「茉奈?」

いつの間にか眠っていた伏黒は茉奈の咳で目が覚めた。
頬の紅潮具合から熱が出て来たのだろう、手で触れると少し高い体温が伝わってくる。

「あれ?伏黒君…ふぇっくしゅ!!」

「熱出てきてる。寒気は?」

「う~ん、少し…。でもホント大丈夫!寧ろここまで看病してもらうなんて伏黒君が初めてだよ。ありがとう」

「…いつもは誰か看病してくれてんのか?…彼氏?」
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