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【呪術廻戦】風邪を引いたとある1日【短編集】

第2章 伏黒 恵の場合…※R18



「そ、そろそろ帰る時間じゃない!?」

そう言った茉奈だったが、さっき来たばっかりの、ましてやお見舞いに来てくれた人物をさっさと追い返そうとしている状況に思わず「…ごめん、早く帰れとかそういう意味じゃなくて…その…」と小さく言い訳をしてしまう。
動揺に動揺を重ね、パニック状態の茉奈をポカンと見つめる伏黒は首元に手を当てる。

「やっぱ熱上がって来たんじゃ・・・」

ビクリ、と体を硬直させて言葉を詰まらせる茉奈。
その姿を肯定と捉えた伏黒はテーブルの上のゼリー容器などを手早く纏めて立ち上がりキッチンへと歩いて行った。

「片付けは自分でするから!ほんとに!」

夕飯を簡単に済ませて洗い物は明日でいいや~、なんて気を抜いていた数時間前の自分を呪った。後を追う茉奈は見られるのをとにかく阻止すべく伏黒とシンクの間に割って入ってみた、が身長差の結果「ついでに俺がしておくから寝てろよ」とシンクを確認して返答された。

「…」

「…」

まるで均衡状態のように二人は向かい合ったまま黙るが、先に動いたのは伏黒だった。
茉奈の肩越しにキッチンのシンクにスプーンを置いた直後に視線を落としたところで顔を赤らめて体を引いたのだ。突然の行動に茉奈は驚いたが伏黒の次の言葉に、今度は茉奈が顔を赤くすることになった。

「…っお前!そんな恰好で人前に出るとか何考えてんだ!」

「え?…!違う違う!これはいつもの格好で、変な意図とかは無いって…!!そりゃ伏黒君だからって気を抜いて着替えなかったのも悪かったけどさ!…伏黒君?」

あわあわと言い訳を連ねていた茉奈はピタリと動きを止めて静かになった伏黒に気付きふと見上げ思わず「ヒッ」と小さく声が漏れてしまった。
怒ってる。なんでか分からないけど怒ってる!

「…一応聞いておくが、他の野郎の前でもそんな恰好してるんじゃないんだろうな?」

ふー、と長く息を吐いてから静かに問いかけて来た伏黒に茉奈は勢いよくコクコクと頷く。そもそも彼氏がいたことすらないのだ、部屋着を見せる相手がいない。

「更にもう一つ聞く、俺だからいいやっていうのもどういう意味だ」

「えぇー…と。中学からの知り合いだしお化け見える友達だから大丈夫、かなぁ~って…」
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