第2章 伏黒 恵の場合…※R18
「それはまた面倒ね~、ウザかったらボコボコにする派の私からすれば見えるだけとかひたすらにウザいわ~」
「それは釘崎だけだろ…。大変だな~、日常で困ったことあれば伏黒に連絡して助けて貰えば全部解決だよな!」
「なんでだよ。…とりあえず無理はせずにゆっくり休めよ」
三人に手を振って帰路につく。その手に下げた袋には買う予定のなかった栄養ドリンクやのど飴など三人の気遣いが沢山詰まっていた。
体調を崩すと心細くなるのは何故だろう、部屋に入るとしんとした空気が先ほどの賑やかさを思い出させた。中学で両親が亡くなってから2年、高校からは独り暮らしになったが親戚の家に引き取られていた時期に比べれば気楽には暮らせている。
薬を飲んで後は寝るだけの状態になりベッドに座りスマホをチェックすると、広告や迷惑メッセに紛れて伏黒からのメッセが入っていた。「大丈夫か」たった一言でもなんだか伏黒らしくて笑ってしまう。
久しぶりに会った伏黒は中学の時の尖った感じが抜けて穏やかになっていた。高校生になったからなのかあの二人の影響なのかは不明だが、きっと伏黒にとって良い方向への変化だと思う。
―ピンポーン
「?」
時刻は夕方、今日は誰かが来る予定なんてなかったはず。そう考えながらドアスコープのカバーを外し覗く。そこにはまさかの人物が立っており茉奈は慌ててロックを外すと勢いよくドアを開いた。
「良かった、まだ元気そうだな」
「伏黒君…」
とりあえず部屋に上がってもらい話を聞いてみると、どうやら日中に一緒に街に居たあの二人から見舞いに行くようにせっつかれたらしい。追加の支援物資として途中のコンビニで買ってきてくれたゼリーを食べながらふと疑問が出て来た。
なんであの二人はそんなに伏黒と自分を一緒にいさせようとしているのか。
「熱は?」
「え?まだ無いと思…っ!?げほっ!」
少し冷たい伏黒の手が額に当てられ思わず口に運んでいたゼリーが喉に引っ掛かった。
咽込む茉奈に狼狽えたように謝りつつ優しく背を擦る伏黒。
その手の感触に茉奈はハッとした、帰宅→ご飯→お風呂までのルーティンを終わらせ後は就寝を控えているだけの状態。つまるところ自分は今完全にOFFモードのパジャマ姿だ。
裸族ではなかった自分を頭の中で褒めつつも、たった一つの後悔…寝るときはノーブラ派だ
