第2章 伏黒 恵の場合…※R18
「ふぇっくしゅ!!!」
茉奈は大きなくしゃみをひとつすると手元にあるティッシュで鼻をかんだ。
ベッドサイドに置かれたゴミ箱は既に半分程ティッシュで埋められている。
この感じだと、夜には熱が上がりそうかな~。
空になった風邪薬の箱を横目に薄手のコートを羽織ると近くのドラッグストアへと足を向けた。引き籠りの為の準備をせねば。
一人暮らしの自分には生憎お世話をしてくれるような人はいない。
「とりあえず、スポドリは必須だよね~。レトルトのおかゆも買っとくか…」
カゴに必要そうなものを放り込んでいく途中「あれ?」と背後から聞き覚えのある声が聞こえ茉奈は振り返ると、中学の同級生の伏黒恵だった。
「茉奈、昨日は大丈夫だったか?」
「あぁ、うん。昨日はありがとう」
「何何~!?伏黒!アンタ女友達いたの!!?ちょっと、虎杖!!お菓子見てないでこっち来なさいよ!」
「なんだよ釘崎、俺おまけの玩具選ぶのに必死なんだけ、ど…。女の子?初めまして、俺伏黒の友達!」
伏黒の背後から現れた二人のテンションに若干同様しながらも「はじめまして」とかろうじて返答をした茉奈に、呆れた表情の伏黒が二人の頭を押さえながら「悪いな」と呟いた。皆造形は少し異なるものの同じ素材の制服を着ているということは、高校が一緒なのだろうか。
「ん?彼女風邪でも引いてんの?」
釘崎と呼ばれた女の子が茉奈のカゴの中に視線を落とす。それを聞いた男二人も視線を落とし伏黒だけがハッとした表情を浮かべた。茉奈は少し気まずそうに笑うしかない。
「昨日大丈夫だったかってアンタさっき言ってたわよね?…まさか!!」
「え?何?どゆこと??」
ピシャーンと雷に打たれたような驚き方の釘崎とは対照的に、釘崎の言いたい事が察せない虎杖の様子に「何がまさかなんだよ!」と伏黒が鋭く突っ込んだ。
その光景に茉奈は思わず笑ってしまった。
「昨日、渋谷で伏黒君に助けて貰ったんです。お化けに驚いて噴水に落ちたせいで風邪ひいちゃって」
あはは、と笑った茉奈だったが、ピタリと動きを止めた釘崎・虎杖コンビに「?」と首を傾げる。
「茉奈は呪霊が見えてる。昨日の任務先で偶然襲われてたから呪霊を倒しただけだ」