第9章 凍ったまま
翌日、家はどうなっているのかと足を運ぶ。
途中で止められたが、デンジくんとパワーちゃんが来て、一緒に帰ってくれた。
どうして、アキがいないの?
家はボロボロで、中に入ることは出来ない。
デンジくんが私を抱え、壊れたベランダから入っていく。
アキの部屋で引き出しに指を掛けた。
ここに…アキが書いた手紙が入っている。
まだ書きかけのアキの想いが入っている。
横に折られただけの紙が数枚重なっていた。
そっと取り出し、デンジくんを見る。
「デンジくん、行こ……
ッ、はっ……で、んじく…それ、なに…?」
デンジくんの手にあったのは――黒いピアスとチェーンに通されたリング。
私はそれをよく知っていた。
私はいつも見ていた。
愛しい人を飾るそれを――見ていた。
デンジくんは何も答えない。
ただ俯いたまま空を見つめていた。
息が上手く出来ない。
足に力が入らない。
頭は真っ白で、崩れ落ちる。
「な、んで……ぁ、あぁっ…」
震えた唇から声にならない悲鳴が喉を切り裂く。
アキ…この子はまだ、私のお腹の中だよ。