第9章 凍ったまま
病室のベッドに戻り、少し休ませてもらう。
「結那…いいのか?
俺は……」
「アキ、嬉しくないの?
私は嬉しいよ」
アキの生きた証がここに刻まれている。
もし本当にアキがいなくなっても、この子が…アキが確かに存在していた証になる。
アキの――家族。
なりたいと願って、なれなかったもの。
この子が叶えてくれる。
「俺は子供の記憶に刻まれない。
そもそも…俺には好きな人がいる。
それでもいいのか?」
「それでも……この子を愛してくれる?」
「当たり前だ」
嬉しかった。
私は愛されなくてもいい。
でもこの子にはちゃんと父親の愛をあげたかった。
アキの震えた指が私の頬を撫で、そのまま頭を胸に引き寄せた。
アキの鼓動が聞こえた。