第9章 凍ったまま
目が覚めると、白い天井が見えた。
目線を滑らせると、ベッドに伏せて眠るアキの姿。
窓から差し込む光が、アキの黒髪を照らしていた。
下ろされたままの髪を軽く撫でる。
黒髪が揺れて、アキが顔を上げた。
「結那…よかった。
気分は?」
「大丈夫…」
優しく微笑んだアキと唇が重なる。
そのままアキはナースコールを押し、看護師や医師が来るのを待った。
白い服を着た人たちが来て、少し身体を確かめられる。
そして、検査をするからと言われた。
「アキ、アキも……
この人も、いいですか?」
経膣エコーだが、恥ずかしくないかと聞かれて頷く。
一緒に検査室に行くと、診察台に乗せられた。
細いプローブが膣の中に入ってくる。
モニターに小さな何かの影が映されていた。
「おめでとうございます、ご懐妊ですよ。
お父様は……」
「アキっ!
ほら、アキの子が先だったでしょ!?
あ、パパはこの人です」
アキは固まって動かない。
嬉しくて嬉しくて…自分が泣いているのには気付いていなかった。