第8章 白銀の世界に
「んあ?えっちすんのかぁ?」
心臓が止まったかと思った。
咄嗟にアキが私を抱き締めて、デンジくんから私の身体が見えないようにした。
「うるせぇ。
知らないフリしろよ」
「悪りぃな。
じゃあ俺ぁ寝るからよ、寝てからしろよ」
二人が会話をする声を遠くで聞きながら、アキの肩で荒く息をしていた。
何もしていないのに、喉から甘い声が漏れる。
「早く寝ろよ。
結那、もう少し我慢出来るか?」
「ん…アキぃ…」
耳にかかる息に肩を震わせる。
すぐそこに二人がいるのに、私はなんでこんなにしたくなってるんだろう。
帰ってからしたらいいのに、止められない。
浴衣を肩に掛けて、頬を撫でて髪を耳に掛けられる。
アキの指が私の肌に触れる度に熱い吐息が漏れた。
「結那、可愛い。
興奮してるのか?」
頬に手を添えて額を合わせ、至近距離で見つめ合う。
私の視界はアキに支配された。
珍しい甘い言葉が、私の理性を奪い去っていく。
「結那…結那……」
「アキ…アキぃ」
甘ったるい声が旅館の部屋に響いていた。