第8章 白銀の世界に
「明日から2日くらい、北海道に帰る」
アキの髪を結い終え、デンジくんたちと話しているのを聞いている。
どうやら二人も行きたいらしく、ニャーコをアキたちの先輩に預けることになった。
「結那は…そのまま北海道に残れ」
「え…」
「って言いたいけど、やっぱ離したくない」
新幹線で隣に座るアキが、肩に頭を乗せた。
後ろが騒がしい…。
パワーちゃんが駅弁を独り占めしようとしているようだ。
せっかく目を閉じたアキが注意している。
そしてまた肩に頭を乗せ、私を見上げた。
「結那…して」
目を閉じて顎を上げたアキに慌てる。
周りを見渡して、少しだけ唇を重ねた。
そのままアキは私に擦り寄り、縮こまるように肩を竦め、目を開けることはなかった。
盛岡に近付くとアキは目を覚まして、特急に乗り換えた。
その後はフェリーに乗ったり、バスに乗ったりして、故郷に辿り着く。
すごく…騒がしかった。