第8章 白銀の世界に
隣にいるアキがテーブルの下で、私の袖を軽く引っ張った。
アキの顔を見ても、マキマさんの方を向いているだけ。
その手が…行かないでと言っているように感じた。
「なら、仕方ないね」
マキマさんは一度目を伏せて、アキを真っ直ぐ見た。
「これは命令です。
早川くん、細川結那をデンジくんの目の前で始末しなさい」
驚いて固まることしか出来なかった。
どうしてマキマさんはそんなことを言うのだろう。
アキは抗おうと目を逸らそうとしていた。
「始末します。
ですが、まだ出来ません。
結那は何も知りませんので」
マキマさんは美しく微笑んだ。
目は笑っていなかった。
アキは何も聞かなかった。
民間人の私を何故殺さなければいけないのか、何故デンジくんの目の前でなのか。
会ってみてわかった。
姫野さんがどうして嫌悪感を抱いているのか…マキマさんは怖くて、何か違和感がある。
何故、アキやデンジくんが想いを寄せているのか、私には理解出来なかった。