第7章 夏霞の中の文字
冷蔵庫からお茶を取り出してコップに注ぐ。
廊下からアキの声が聞こえてきた。
「流せ!
あと、交尾じゃねぇ!
結那と俺の場合、もっと違うもんなんだよ」
違うもの?
コポコポとお茶が注がれていく音を聞きながら、アキの言葉の意味を考えていた。
「何が違うんじゃ!
気持ちはないように感じたが?」
「あ?お前、本気で言ってるのか?
……を……ない」
アキの声が小さくなって、聞き取ることが出来なかった。
パワーちゃんの言う通り、気持ちはないのかもしれない。
でも、その気持ちがどんなものかによる。
アキの中に私への好きがなくても、それ以外のものは感じていた。
何かはまだわからない。
お茶をテーブルに持っていき、デンジくんの前へ。
言い合いながらリビングに来たパワーちゃんやアキの前に置く。
「結那、ちょんまげがお前のこと泣かせたくないとか言っておったぞ」
「え?」
聞き取れなかったところはそんなことを言っていたのか…。
アキを見て目を細める。
口角は勝手に上がっていた。
「な、泣かせたくないのは…
そのうち泣いてもらうから、今は泣かせたくないだけだ」
「泣いちゃう…」
「やめろ!」
お茶を飲もうとしたアキは、口からコップを離し、食い気味でこちらを向く。
笑いながらコップを持つアキの手を口元に誘導する。
ひと口お茶を飲んだアキは、少し睨んでいた。
下着が湿っていく。
アキが溢れた。